~教える立場になって初めて気付いたこと~
SOEJIMA Groupの副島です。
私は普段、路線バス運転士として勤務しながら、消防団員として活動しています。
路線バスの運転士は、多くのお客様の命を預かる仕事です。
どれだけ安全運転を心掛けていても、交通事故や車内で急病人が発生する可能性をゼロにすることはできません。
以前から私は、
「もし乗客が突然倒れたら。」
「もし交通事故に遭遇したら。」
「もし目の前で命に関わる場面が起きたら。」
そんな時、自分は本当に落ち着いて行動できるのだろうかと考えていました。
運転免許を取得する際に応急救護処置は学びます。
しかし、実際の現場では緊張や焦りから、知識があっても体が動かなくなるかもしれません。
その不安から、私は毎年YouTubeなどで心肺蘇生法やAEDの使い方を見て復習していました。
しかし、動画を見ているだけでは本当に身に付いているとは言えません。
そこで救命講習について調べてみると、普通救命講習や上級救命講習、さらに応急手当普及員という資格があることを知りました。
最初は普通救命講習や上級救命講習を受講することも考えました。
しかし、受講や更新を繰り返して学び続けるのであれば、最終的には応急手当普及員を取得し、自分自身が教える立場になった方が知識や技術も維持でき、周りの人にも伝えられるのではないかと考えました。
その思いから挑戦し、令和7年4月13日に応急手当普及員認定証を取得しました。
資格を取得した現在は、消防団で上級救命講習の補助講師として実技の見本や実技指導を担当する機会もいただいています。
メイン講師ではありませんが、教える立場になったことで、受講者として参加していた頃には気付かなかった多くの学びがありました。
今回は、その経験を通して感じたことを書いていきます。
教えることは、自分自身が一番勉強になる
よく、
「人に教えられるようになって初めて、本当に理解したと言える。」
と言われます。
今回、まさにその意味を実感しました。
受講者として講習を受けている時は、
「なるほど。」
「分かった。」
と思っていたことでも、
実際に受講者へ説明しようとすると、
「どう説明すれば伝わるだろう。」
「この言葉でイメージできるだろうか。」
と考えるようになります。
教える立場になって初めて、自分の理解が曖昧だった部分にも気付くことができました。
分かりやすい講師には共通点がある
今回特に印象に残ったのは、経験豊富な講師の先生方の話し方でした。
例えば胸骨圧迫。
テキストには、
「5〜6cm押してください。」
と書かれています。
しかし、それだけでは受講者はイメージしにくいものです。
ある講師は、
「単三電池くらいの深さ。」
と身近な物で例えていました。
また、
「100〜120回/分」
というテンポも、
「踏切の警報機くらいのリズムです。」
と説明していました。
数字だけでは伝わりにくい内容も、身近な例えを使うことで一気に理解しやすくなります。
私は、「教える技術」とは、このような工夫の積み重ねなのだと学びました。
実技は見るより、やる方が何倍も難しい
補助講師として実技の見本を担当した時に感じたのは、
見るのと実際にやるのでは全く違う
ということでした。
受講者として見ている時は簡単そうに見えます。
しかし実際に前へ立つと、
・手の位置
・体の向き
・受講者から見える角度
・説明するタイミング
など、考えることがたくさんあります。
特に三角巾や搬送法は、知識だけでは身に付きません。
何度も練習して、自然に体が動くようになるまで繰り返すことが大切だと改めて感じました。
完璧を求めるより、「まず行動すること」が大切
講習中、
「間違えたらどうしよう。」
「うまくできるかな。」
と不安そうな受講者もいました。
私も最初は同じ気持ちでした。
だからこそ、
「最初から完璧にできる人はいません。」
「一緒にやってみましょう。」
という声掛けを意識しました。
応急手当は、完璧であることよりも、勇気を持って最初の一歩を踏み出すことの方が大切だと思っています。
私自身もまだ勉強中
応急手当普及員になったからといって、すべてを完璧にできるわけではありません。
今回の講習でも、
・三角巾
・搬送法
・外傷対応
など、さらに練習が必要だと感じた場面がたくさんありました。
だからこそ、講師であっても学び続ける姿勢が必要だと思っています。
講師になって改めて感じた応急手当の大切さ
救命技術は、使う機会がない方が幸せです。
しかし、「もしも」は突然やってきます。
仕事中。
家庭。
学校。
地域活動。
買い物中。
誰がその場に居合わせるか分かりません。
その時、
「講習を受けたことがある。」
「一度練習したことがある。」
という経験が、一人の命を救うきっかけになるかもしれません。
まとめ
今回、消防団で上級救命講習の補助講師を経験し、私が学んだことは次の5つです。
- 教えることで、自分自身の理解も深まる。
- 分かりやすい講師は、数字ではなく身近な例えを使って伝えている。
- 実技は、見るだけではなく何度も練習することが大切。
- 受講者が安心して取り組める雰囲気づくりも講師の大切な役割。
- 応急手当は、一度学んで終わりではなく、繰り返し復習し続けることが重要。
最後に
私が応急手当普及員を目指した理由は、資格が欲しかったからではありません。
路線バス運転士として、多くのお客様の命を預かる立場だからこそ、
「もしもの時に、何もできず立ち尽くす自分にはなりたくない。」
その思いがすべての始まりでした。
現在は消防団で補助講師として活動する機会をいただき、教えることが自分自身の成長につながっていると実感しています。
応急手当は、一度講習を受けて終わりではありません。
私自身もまだ学びの途中です。
これからも知識や技術を磨き続け、いざという時に落ち着いて行動できる人でありたいと思います。
そして、応急手当の大切さを一人でも多くの方に分かりやすく伝えられる応急手当普及員を目指し、これからも学び続けていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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