若い路線バス運転士へ 運転だけで終わらない。10年後も必要とされるために、今からできること

私は現在、路線バス運転士として働いています。

これから路線バス運転士を目指す若い人、すでに20代・30代でハンドルを握っている人に、少し先を走っている一人の運転士として伝えたいことがあります。

それは、

「バス運転士になったことをゴールにしないでほしい」

ということです。

私は路線バス運転士という仕事が好きです。

だからこそ、5年後、10年後、20年後もこの業界で働いていくために、

「運転以外に自分には何ができるだろう」

と考えるようになりました。

この記事は、私個人の経験と考えを書いたものであり、勤務先その他の会社の公式見解ではありません。

まず1年目は「事故を起こさない」「仕事に慣れる」でいい

新人運転士に、最初から資格を何個も取れとは思っていません。

私なら1年目は、

事故を起こさないこと。
仕事に慣れること。
基本動作を身体に染み込ませること。

これを最優先にします。

大型二種免許を取得して入社しても、それですぐ一人前の路線バス運転士になるわけではありません。

会社の研修を受け、指導運転士についてもらいながら、路線、車両、料金機器、接客、安全確認、車内マイクの使い方などを学びます。

一定期間の教育を受けて独車し、そこからが本当のスタートです。

最初のうちは、道路を見るだけでも大変です。

信号。

歩行者。

自転車。

対向車。

停留所。

ミラー。

車内。

時間。

お客様対応。

全部を同時に見なければいけません。

だから最初から「あれもこれも」とやる必要はありません。

まずは基本を身につける。

それが一番大事です。

車内マイクは「接客」だけではなく「安全」のために使う

私は、車内マイクは単なる接客ツールではなく、安全運行のための大切な手段だと考えています。

私はすべての路線で、

「このバスは○○経由、○○行きです」

「本日は○○バスをご利用いただき、誠にありがとうございます」

と案内するようにしています。

別にホテルマンのように必要以上に丁寧な接客をしたいわけではありません。

ただ、ホテルマンのように聞き取りやすく、丁寧なアナウンスを続けていると、

「あの運転士さんだ」

とお客様に覚えていただけることがあります。

それも一つの接客だと思っています。

ただし、私がマイクを使う一番大きな理由は安全への配慮です。

例えば発車するとき。

「発車いたします。手すりなどにおつかまりください」

「安全を確認してから発車いたしますので、ご着席いただくか、手すりにしっかりおつかまりください」

など、必要な案内をしてから発車します。

もし何も言わずに発車して、お客様が転倒してしまったら、

「発車するとは思わなかった」

「安全への配慮は十分だったのか」

という話になる可能性があります。

国土交通省も、乗合バスの車内事故防止について、乗客の着席やつり革などの把持状況を確認してから発車することや、車内放送で注意喚起することを対策として示しています。

だから私は、

確認する。
声を掛ける。
安全を確保する。
それから発車する。

この順番を大切にしています。

もちろん、終始無言だから必ず悪い運転士だとは思いません。

運転に集中している人もいます。

ただ私は、必要な場面でのマイクは、接客だけではなく安全確認の一部だと考えています。

着席確認は「面倒なルール」ではなく事故防止

バス停でお客様が乗車したら、私は着席確認を大切にしています。

特に高齢のお客様や、足元が不安定なお客様です。

発車した瞬間にバランスを崩すことがあります。

若い人なら軽い打撲で済むことでも、高齢者の場合は骨折など重大なけがにつながることがあります。

だから、

「早く発車しないと遅れる」

ではなく、

「座ったか。つかまったか。安全か」

を見る。

数秒遅れても、事故を起こすよりずっといい。

私はそう考えています。

左折時は基本動作を崩さない

私は左折するとき、勤務先のルールに従って一旦停止や十分な安全確認を徹底しています。

左ミラー。

左後方。

横断歩道。

歩行者。

自転車。

内輪差。

毎日同じ道を走っていると、

「ここは大丈夫」

という慣れが出てきます。

でも、その慣れが怖い。

プロだから速く走るのではありません。

プロだからこそ、遅れていても安全確認を省略しない。

私はそう考えています。

「遅れているんだから回復運転をするのがプロだ」

という考えを耳にすることもあります。

でも私は違うと思っています。

渋滞や乗降時間など、自分ではどうにもできない遅れがあります。

その遅れを取り戻そうとして速度を上げたり、安全確認を省略したりして事故を起こしたら意味がありません。

安全が最優先です。

指差し確認を恥ずかしがらない

私は指差し確認もしています。

中には、

「恥ずかしい」

「そこまでやらなくてもいい」

と思う人もいるかもしれません。

でも安全確認は、人に格好よく見せるためにやるものではありません。

事故を防ぐためにやるものです。

興味がある人は、立命館大学の北岡明佳教授が制作した有名な錯視、「蛇の回転」を見てみてください。

実際には静止画なのに、円盤が回転しているように見えます。

これを見ると、人間の目や脳は、必ずしも現実をそのまま認識しているわけではないことを実感できます。

私はこの経験から、

「見たつもり」と「確認した」は違う

と考えるようになりました。

見る。

顔を向ける。

指を差す。

必要なら声に出す。

そこまでやる。

指差し確認そのものが魔法のように事故を防ぐわけではありません。

でも、確認を省略しない習慣を作ることには意味があると思っています。

なお「蛇の回転」の画像そのものは著作物です。北岡教授の公式ページでは教育・研究利用は歓迎されていますが、無断の商業利用については注意書きがあります。ブログに載せる場合は、公式サイトへのリンクで紹介する方が安全です。

「このあと何が危ないか」を考える

安全運転で大切なのは、今起きていることだけを見るのではなく、

「このあと何が起きたら危ないだろう」

まで考えることだと思っています。

例えば車両が故障したとき。

バスが道路上で止まってしまった。

そのままにしておけば、後続車が追突する危険があります。

だからハザードを出す。

必要に応じて後方へ注意喚起する。

安全を確保する。

営業所へ連絡する。

その場その場で、

「次の事故をどう防ぐか」

まで考える。

これは事故のときも同じです。

一つ目の事故だけでなく、二次事故を起こさない。

少し考えて、

「ここは危ないかもしれない」

と気づいたら、先に安全措置を取る。

それもプロドライバーの仕事だと思っています。

お客様が転倒したら「運転席から声を掛けて終わり」にしない

例えば、バスが完全に停車していて、お客様が降車するときにステップを踏み外して転倒したとします。

自分の運転操作が原因ではなかったとしても、

「大丈夫ですか?」

と運転席から声を掛けるだけで終わらせない。

私は、まず安全を確保して、お客様のところへ歩み寄り、状態を確認することが大切だと思っています。

痛みはないか。

意識はしっかりしているか。

立てるか。

出血していないか。

必要なら救急を呼ぶ。

営業所へ報告する。

その場では「大丈夫」と言っていても、あとから症状が出る場合があります。

だから私は、

「自分で転んだのだから関係ない」ではなく、目の前でお客様が転倒した以上、その後の安全確認までが乗務員の仕事

と考えています。

法律上の「救護義務違反」になるかどうかは事故の状況によって変わりますので、一律には言えません。

ただ、少なくとも現場では、

止める。
歩み寄る。
確認する。
必要な救護をする。
報告する。

ここまで考えて行動した方がいいと思っています。

「自分で大丈夫と判断しない。迷ったら報告する」

たまに、

「この程度なら大丈夫だろう」

「お客様も大丈夫と言っていたから問題ないだろう」

と、自分だけで判断して報告しない人がいます。

でも後日、お客様や相手方から会社へ連絡が来たら、

「なぜその場で報告しなかったのか」

という別の問題が発生します。

場合によっては、

「隠していたのではないか」

「事故を隠蔽したのではないか」

と受け取られてしまう可能性もあります。

だから私は、

自分で「問題なし」と決めない。
迷ったら必ず管理者へ報告する。

ことを大切にしています。

報告してしまえば、

「あのとき報告しておけばよかった」

「あのお客様、その後大丈夫だったかな」

「あとから会社へ電話が来ないかな」

と何日も心配する必要もありません。

会社へ事実を伝えて、その後の判断は管理者にも相談する。

運転士一人で全部抱え込まない。

私はそれも大切だと思っています。

「報告した結果、問題ありませんでした」

なら、それでいい。

一番避けたいのは、

「問題ないと思って報告しなかったら、後から大きな問題になった」

という状態です。

事故は「ぶつけた瞬間」で終わらない

私は事故を防ぐときに、事故を起こした後のことまで考えるようにしています。

事故が起きれば、まず現場対応があります。

お客様や相手方の安全確認。

必要なら救急・警察。

営業所への報告。

そして会社のルールに従って、事故の状況説明や報告書等が必要になることがあります。

事故内容によっては、管理者や本社へ経緯を説明することもあるでしょう。

車両が傷つけば、整備や工場にも対応してもらわなければいけません。

代車が必要になることもある。

乗務員交代が必要になることもある。

勤務を組み替える人もいる。

保険会社や警察が関係することもある。

事故内容によっては、違反点数など運転免許への影響が出る場合もあります。

つまり事故は、

自分一人の問題ではありません。

多くの人を動かします。

だから、

「数秒止まるのが面倒」

「指差しするのが恥ずかしい」

「マイクを使うのが面倒」

と思ったときに、事故後のことまで一度想像してみてほしい。

事故を起こしてから、

「止まっておけばよかった」

「確認しておけばよかった」

「マイクを入れておけばよかった」

と思っても、時間は戻りません。

でも「報告しろ」と言うだけではダメだと思う

ここからは、私が管理職を目指す理由につながります。

運転士に、

「事故を起こしたら必ず報告しろ」

と言うのは簡単です。

でも点呼場へ行ったら、いつも怒っている管理者がいる。

相談すると怒鳴られる。

「そんなことも分からないのか」

と言われる。

そんな相手に、運転士は何でも話せるでしょうか。

私は難しいと思います。

もちろん、何でも許すという意味ではありません。

重大なルール違反は指導しなければいけません。

しかし私は、

「まずこの人に相談しよう」

と思ってもらえる管理者になりたい。

事故を隠す前に話してほしい。

体調が悪ければ無理して乗務する前に相談してほしい。

アルコールについて不安があるなら、隠す前に相談してほしい。

家庭の事情や仕事の悩みでも、

「ちょっと聞いてください」

と言ってもらえる。

そんな管理職になりたいと思っています。

私のモットーは、

運転士が安全に、安心して、長く働ける職場環境をつくること。

そのために私は管理職を目指しています。

仕事に慣れたら、次は運行管理を学んでみる

1年目で少し仕事に慣れてきたら、次におすすめしたいのが運行管理について学ぶことです。

例えば運行管理者の基礎講習。

最初は難しいと思います。

法令の話が続けば、眠くなることだってあるでしょう。

でも、最初から全部理解する必要はありません。

一度、

運転士ではなく、運行を管理する側からバス会社を見る

経験をしてほしいのです。

点呼。

飲酒。

疲労。

勤務時間。

事故防止。

乗務員管理。

改善基準告示。

36協定。

こうしたことを少しずつ学ぶと、

「どうして会社はこんなルールを作っているんだ?」

と思っていたことにも理由が見えてきます。

将来、指導運転士、操車係、運行管理、管理職を目指したくなったときにも役立ちます。

指導運転士を目指すなら「運転がうまい」だけでは足りない

私自身、指導運転士の登用試験を受けたことがあります。

周囲にも指導運転士を目指している先輩たちがいます。

長く運転している。

事故が少ない。

接客が良い。

お客様からお褒めをいただいている。

どれも大切です。

ただ、同じような実績の人たちが集まったとき、

「どこで差がつくんだろう」

と思いました。

特に20代や30代前半では、運転経験年数でベテランに勝つのは難しい。

ならば、

経験以外の武器を増やせばいい。

私はそう考えるようになりました。

指導運転士は、

「事故を起こすな」

「そこ危ないぞ」

と言うだけではありません。

なぜ危ないのか。

何を見るのか。

何が死角になるのか。

人間がどんな見落としをするのか。

事故が起きたら何をするのか。

そこまで説明できる方がいい。

私はそう思っています。

「運転+もう一つ」を持つ

私が若い運転士なら、運転以外の知識を一つずつ増やします。

運行管理。

救命。

危険物。

労務。

安全衛生。

ハラスメント。

マネジメント。

全部一度に取る必要はありません。

私は、運行管理者(旅客)、危険物取扱者乙種第4類、救命関係、応急手当普及員などを学んできました。

全部の運転士が同じ資格を取る必要はありません。

でも、

「運転+もう一つ」

を持つことは、将来の選択肢を増やしてくれます。

「俺はバカだから無理」で自分に蓋をしない

若い運転士に特に伝えたいことがあります。

「自分はバカだから」

と言って、自分で可能性を閉じないでほしいです。

学生時代に勉強をしてこなかった。

参考書を読むのが苦手。

資格なんて取ったことがない。

それでもいいです。

1日5分でいい。

10分でもいい。

1か月で取る必要もない。

1年かけてもいい。

3年かけてもいい。

そう考えれば、

「自分にも取れるかもしれない」

と思えてきませんか。

資格によって内容は違いますが、過去問や類似問題を繰り返すことが有効な試験もたくさんあります。

まず過去問を見て、

「どんな問題が出るのか」

を知る。

分厚い参考書を全部覚えてから問題を解く必要はありません。

今はYouTubeなど、無料で学べるものもたくさんあります。

ただ、何時間もダラダラ見る必要はありません。

15分なら15分。

30分なら30分。

1か月の目標。

1週間の目標。

今日の目標。

できなかった日は、

「今日はできなかった」

でいい。

また次の日にやればいい。

高卒だからと将来を決めなくていい

私は、若い運転士に通信制の短期大学や大学という道も知ってほしいと思っています。

仕事をしながら学ぶことができます。

私自身も、通信制で学び、さらに次の学びへ進むつもりです。

短大や大学を卒業したから、突然人生が変わるわけではありません。

でも、

管理職になる。

転職する。

別の仕事をする。

さらに専門的な勉強をする。

そうしたとき、選択肢が一つ増えることがあります。

私は、

学歴は自慢するものではなく、自分の選択肢を増やすための道具

だと思っています。

管理職を目指すなら、マネジメントも学ぶ

私はこれから3年次編入をして経営学やマネジメントの勉強にも取り組みます。

運転士なら、自分が安全に運転することが中心です。

でも管理側へ行けば違います。

人をどう育てるか。

チームをどう動かすか。

事故をどう減らすか。

人が足りないときにどうするか。

問題をどう発見するか。

改善をどう進めるか。

そうした知識が必要になります。

だから私は、

管理職になってから勉強するのではなく、なる前から少しずつ学んでおこう

と考えています。

副業で得られたものは、お金だけではない

私は会社のルールに従って副業申請を行い、会社外の仕事も経験してきました。

探偵業。

便利業。

高齢者の生活サポート。

地域活動。

消防団。

などです。

会社によって副業制度は違いますので、必ず勤務先のルールを確認してください。

私が副業をやって良かったと思うのは、お金だけではありません。

会社の外に人間関係ができたことです。

バス会社の中だけにいると、考え方もどうしてもバス会社中心になります。

外へ出れば、

経営者。

行政関係者。

介護職。

地域活動をする人。

個人事業主。

全く違う業界の人。

さまざまな人と知り合えます。

すると、

「うちでは昔からこうだから」

という固定観念から離れられます。

「別の業界では普通にやっているのに、なぜバス業界ではできないんだろう」

という視点も持てます。

それが会社の改善案を考える力にもなります。

バスでは失敗できない。だから別の場所では失敗していい

路線バスは、お客様の命を預かる仕事です。

運転では、

「失敗しました。次から気を付けます」

では済まないことがあります。

だからこそ、私は仕事以外ではたくさん挑戦して、失敗してもいいと思っています。

資格試験に落ちた。

副業がうまくいかなかった。

企画が通らなかった。

ブログを書いたけれど読まれなかった。

それならまたやればいい。

失敗した経験がある人は、

「どうしたら次はうまくいくか」

を考えるようになります。

私は、管理する立場になる人にとっても、そういう経験は大切だと思っています。

家庭があっても、少しずつなら挑戦できる

私は4人の子どもを育てながら働いています。

勉強もしています。

副業もしています。

地域活動もしています。

もちろん、全部私一人の力でできているわけではありません。

妻の協力があるからこそできています。

そこには本当に感謝しています。

家庭を持てば、自由な時間は減ります。

子どもができれば、守るものも増えます。

でも、

「家庭があるから何もできない」

と最初から決めなくてもいいと思っています。

5分でも10分でもいい。

できるときに少しやる。

それで十分です。

うまい話には気をつける

新しいことを始めると、怪しい話に出会うこともあります。

絶対儲かる。

誰でも簡単。

今だけ。

紹介するだけ。

そういう話には気をつけましょう。

投資、マルチ商法、オンラインカジノなど、世の中には危険な勧誘もあります。

挑戦することと、何でも信じることは違います。

分からなければ調べる。

契約前に確認する。

第三者に相談する。

これも社会人として大切な力だと思います。

そして路線バス業界は、これから大きく変わる

2026年現在、自動運転は何十年も先の話ではなくなっています。

国土交通省は、2030年度に全国のバス・タクシー等の公共交通と幹線輸送トラックを合わせ、自動運転サービス車両1万台という目標を掲げています。また2027年度にはAIベースの自動運転車の販売や、自動運転タクシーなどの社会実装が予定されています。

さらにWaymo、日本交通、GOの3社は、2027年中に東京でレベル4の完全無人走行による商用タクシー運行を目指すと発表しています。

もちろん、

「2030年になったらバス運転士が全員いなくなる」

という話ではありません。

しかし私は、

今と同じ人数で、今と同じ路線を、今と同じ働き方で10年後も運転している

とも思っていません。

例えば、駅から駅まで大きな道路を通り、毎日ほぼ同じルート・同じ停留所を走る路線。

こういう条件の決まった路線は、自動運転を導入しやすい可能性があります。

逆に、利用者が少なく、大型バスを固定ダイヤで走らせる採算が合わない地域では、AIデマンド交通や小型車両など、別の交通手段へ置き換わる可能性もあります。

だから、

「日本の道路は狭いから絶対に自動運転なんて無理」

と決めてしまうより、

「もし実現したら、自分の仕事はどうなる?」

と考えておいた方がいいと思っています。

AIが運転するようになったとき、自分には何が残るか

もし将来、AIが安全にバスを運転できるようになったとします。

そのとき、自分にできることが、

「大型バスを運転できます」

だけだったらどうでしょう。

だから私は、

運転+運行管理。

運転+救命。

運転+指導。

運転+マネジメント。

運転+大学。

運転+副業経験。

そして将来的には、

運転+自動運転や遠隔監視

まで理解したいと思っています。

自動運転車でも、事故や異常が完全になくなるわけではありません。

運行を管理する人。

異常を判断する人。

現場へ向かう人。

お客様を助ける人。

システムを理解する人。

社員を教育する人。

そうした役割は必要になります。

私はバス業界を辞めたいから勉強しているわけではありません。

逆です。

この業界で長く働きたいから、運転以外も学んでいます。

私が若いうちに管理職を目指す理由

以前の私は、

「まず指導運転士になって、子育てが落ち着いてから10年後くらいに管理職になればいいかな」

と考えていました。

でも、自動運転やAI交通について調べるようになり、考えが変わりました。

10年後になって初めて管理を覚えるより、

変化が始まっている今のうちに管理を経験した方がいいのではないか。

そう思うようになりました。

これからの管理職は、人間の運転士だけを管理する仕事ではないかもしれません。

有人バス。

自動運転車。

AIデマンド交通。

遠隔監視。

自治体。

システム事業者。

いろいろなものをつなぐ仕事になる可能性があります。

だから私は今から管理職を目指します。

会社や国だけに、自分の人生を任せない

働いていると、

「会社が何もしてくれない」

「国が何とかしてくれればいい」

と思うことがあります。

私もそう感じることがあります。

でも私は、

会社や国だけに、自分の将来を全部任せない

と考えています。

会社に文句を言う。

仲間同士で不満を言う。

それだけでは変わらないことがあります。

だったら、自分でも動いてみる。

資格を取る。

改善提案を出す。

管理職を目指す。

外の世界を見る。

ブログを書く。

行政や議会へ意見を出す。

東京都議会には、都民の要望や意見を都政に反映させるための請願・陳情制度があります。陳情は議員の紹介なしでも提出でき、要件を満たすものは原則として請願に準じて取り扱われます。

もちろん、陳情を出せば必ず採択されるわけではありません。

でも、

「こういう問題がある」
「こういう制度が必要だ」

と声を残すことはできます。

すぐには変わらなくても、将来同じ問題を考える人の材料になるかもしれない。

私はそう思って動いています。

文句だけで終わらせず「じゃあどうする?」まで考える

給料が安い。

人が足りない。

勤務がきつい。

会社が変わらない。

将来が不安。

そういう不満を言うこと自体は悪くありません。

でも私は、その次に、

「じゃあ自分には何ができる?」

まで考えたい。

何も大きなことでなくていいです。

小さくても一つ動いてみる。

それだけで景色が変わります。

ChatGPTやAIも使えばいい。ただし最後は自分で確認する

今は便利な時代です。

分からないことがあれば、AIに相談することもできます。

資格の勉強方法。

文章の作り方。

仕事の改善案。

法律の概要。

昔より学ぶ入口はかなり増えました。

ただしAIは間違えることがあります。

だから私は、

AIに聞く。
公式資料を確認する。
最後は自分で判断する。

という使い方が大切だと思っています。

若い運転士なら、5年で一つずつ増やせばいい

私なら、最初の5年間はこんな感覚でいいと思います。

1年目は、安全運転と仕事に慣れる。

2年目は、運行管理や救命など何か一つ勉強する。

3年目は、指導運転士や自分の次のキャリアを考えてみる。

4年目は、後輩へ教える、改善提案をするなど、自分以外へ視野を広げる。

5年目は、管理、マネジメント、自動運転など、自分の次の専門分野を一つ見つける。

全部一気にやる必要はありません。

1年に一つ増やせば、5年後には5つ増えています。

「今日も最高の一日になる」と思って仕事へ行く

私は、

「今日も最高の一日になる」

くらいの気持ちで行動するようにしています。

講習の日。

先輩に教えてもらう日。

知らない人と話す日。

もしかしたら、その日に聞いた一言で自分の人生が変わるかもしれない。

そう考えていると、人の話の聞き方も変わります。

同じ一日でも、見えるものが変わります。

最後に、これからの若い路線バス運転士へ

まずは安全に運転できるようになってください。

それが何より大切です。

無理に管理職になる必要はありません。

資格をたくさん取る必要もありません。

大学へ行かなければならないわけでもありません。

副業をしなければならないわけでもありません。

でも、

自分の可能性を自分で閉じないでください。

「俺は運転士だから、運転だけでいい」

ではなく、

「運転士だけど、これもできる」

を一つずつ増やしてほしい。

1日5分でもいいです。

先輩に質問を一つする。

資格について調べる。

事故情報を一件読む。

動画を一本見る。

参考書を2ページ読む。

それでも立派な一歩です。

私は今もまだ途中です。

運転士として働きながら、勉強し、大学で学び、資格に挑戦し、副業や地域活動も経験し、そして管理職を目指しています。

今後は自動運転についても学んでいきたいと思っています。

私の目標は、

運転士が安全に、安心して、長く働ける職場環境をつくること。

そのために、これからも挑戦します。

数年後、このブログを読んだ若い運転士から、

「この記事を読んで資格を取りました」

「指導運転士になりました」

「管理職を目指すようになりました」

「運転以外の勉強も始めました」

そんな話を聞けたら、本当に嬉しいです。

この記事を閉じる前に、一つだけ考えてみてください。

1年後の自分に、一つ能力を足すなら何にしますか?

資格でもいい。

救命でもいい。

接客でもいい。

指導でもいい。

AIでもいい。

まず一つ。

そこから始めてみてください。

運転だけで終わらない。
でも、運転を大切にする。

そんな路線バス運転士が増えたら、これからの公共交通はもっと強くなると私は思っています。

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